天気が許す限りオールデンを履く毎日が続いています。そうなると、職業柄、これらの素敵な靴を作っているオールデン社ってどんな会社なんだろうって興味が湧いてきます。
これまでオールデン「社」のことを意識したことはあまりなかったのですが、最近出た雑誌2ndの特集「やっぱりオールデンが好きなんだ。」を読んで、オールデン社の歴史について自分でもちゃんと裏をとりながら調べてみようという気になってます。
早速Googleで検索してみたのですが、オールデン社の歴史についてまとまった記述は見つかりませんでした。また、歴史が書かれていても、裏がとれてるのかどうかよくわからないものが大半でした。
そこで、今回はまず、オールデン社のウェブサイトに載っている歴史を読みました。
せっかくなので、日本語に訳してみました。以下で紹介したいと思います。グレーで囲っている部分が、上記サイトからの引用です。(それほど厳密に訳したわけではないので、誤訳があってもご容赦ください。)
マサチューセッツ州ミドルバラってどこだ?
Google Mapで調べたところ、ニューヨークの北西、ボストンの南のあたりにあります。ストリートビューでも見てみました。
これ以上は近寄れませんでした。上から見るとこんな感じ。
この時代のアメリカの経済やビジネスについては、アルフレッド・チャンドラーの『経営者の時代』で勉強したことがあります。
19世紀後半に、エリー鉄道やペンシルバニア鉄道といった幹線鉄道が敷かれ、郵便や電信・電話といった通信手段が発展します。まさにそんな時代の中で、オールデン社は誕生したんですね。
ここで疑問が。この時代、靴の原料になる革、そして革の原料になる皮はどこから調達してたんでしょうか。Swift社という精肉会社が冷蔵貨車を開発し、精肉の状態で長距離運ぶことができるようになったのが1880年代です。とすると、少なくともそれまではタンナーは原料となる皮を遠くから仕入れることはできなかったはずです。この時代、この地域の皮および革の物流がどうなっていたのか知りたいところです。
安価な大衆靴に対する需要が伸びたことはわかりますが、今の感覚からすると、別にそれで高級靴の需要が減るわけじゃないような気がするんですが。それとも、それまでは安価な靴が存在しなかったので、今でいう高級靴をみんなが履いていたところに、安価な靴が登場したことで、それまで仕方なく高級靴を履いてた人がそっちに流れたということでしょうかね。
このときの経営者の意思決定に感謝です。そうしてくれていなければ、いまわれわれはオールデンの靴を楽しめなかったわけですから。
今年で創立134年目。靴だけでこれだけの年月、会社を続けられるって凄いことですね。これからもずっと続いてほしいと心から願ってます。
以上、オールデン社のウエブサイトに載ってる歴史情報を紹介しましたが、正直、これだけでは全然物足りません。コードバンの取扱いがいつ、どのように始まったのか、ホーウィン社やブルックス・ブラザーズ社との関係がどう始まりどう発展したのか、世界展開がどのような戦略のもとにどのように行なわれていったのか、などなど知りたいことは山ほどあります。
でもオールデン社は上場企業ではないので入手可能な公開情報が限られています。どうすれば、歴史を調べられるか(史料を手に入れられるか)検討中です。社史なんかがあればいいんですが、そんなにうまい話はないですよね。いっそのことオールデン社にインタビューを申し込んでみようか、と思ったりもしています。
また、進展があればここで報告します。